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食道がん

  • 基礎知識
  • 検査と診断
  • 治療法と実績

食道について

食道は、口から摂取された飲食物をのどから胃に運ぶ管で成人では約25㎝の長さです。消化機能はなく蠕動運動で食物を胃に送っています。英語名oesophagusは、ギリシャ語oiso(運ぶ)+phagos(食物)に由来します。

食道がん症状

初期には症状が出にくく、わずかにしみる感じがする程度で、静かに進行していきます。進行して大きくなると内腔が狭くなり、固形物が飲み込みにくくなります。さらに周辺臓器に広がると嗄声(声がかすれる)、ひどい咳、胸部痛などさまざまな症状が出現します。

食道がんリスクが高い患者さん

わが国で頻度が高い扁平上皮がんでは、飲酒と喫煙が危険因子として重要であり、その両者により危険性が増加することはよく知られています。熱い食事、緑黄色野菜や果物の摂取不足も危険因子とされています。アルコールの代謝産物であるアセトアルデヒドは発がん物質とされています。お酒を飲んだ時に顔が赤くなるのは、アセトアルデヒドが原因です。日本人の4割くらいは、アセトアルデヒドを無毒な酢酸に分解する酵素活性が弱い体質であり、飲むと顔が赤くなる人は注意が必要です。
最近、欧米で増加傾向にある食道腺がんに対しては、逆流性食道炎の予防対策が必要です。逆流性食道炎のリスク因子としては、高脂肪食・過食・早食い・就寝前の食事・肥満・喫煙などが報告されています。
食道がんの発症には、生まれつきの体質や生活習慣が影響します。リスク因子を持つ人は、生活習慣を改め、積極的に内視鏡検査を受けるなど病気の予防や早期発見に努めることをお勧めします。また、食道がん予防のための生活習慣の改善は、一般的な生活習慣病の予防にもつながりますので、健康寿命を延ばすことになるでしょう。

予防と検診

近年の内視鏡診断技術の進歩はめざましく、早期発見には内視鏡検査が最も有効です。狭帯域光観察(NBI)は、粘膜表層の部分の血管を強調することでがん病変の早期発見に有用です。

通常内視鏡

通常内視鏡

狭帯域光観察(NBI)

狭帯域光観察(NBI)